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創立31周年を迎えて

 お陰様で32年目の夏を迎えました。なんとも中途半端な数字で、あまり感慨も湧きませんが、自分も会社も歳を取ったなあ、という実感が先立ちます。昨季は4月に熊本の大地震があり、また大きな被害が出ました。一方既に5年が経過した東北大震災の被災地、特に福島も未だ先の見えない苦難のさ中との事。天災は致し方ないにせよ、予防や復旧に技術の力がここまで生かされないものだろうか、といつも歯痒い思いが募ります。

 さて、我々は昨季に引き続き『赤とんぼ』飛行再現と『ソーラーチャレンジ』、及びプライマリー滑空機開発が活動の三本柱です。お陰様でどれもまずまず順調です。遅れ気味なのは飛行機開発の常として温かく見守り下さい。本当は昨季中に有人ソーラーフライトを達成したかったのですが、より確実な成果を求めて機体の改良作業に時間を割く決断をしました。“条件に恵まれれば”これまでのままでもソーラー飛行は可能でしたが、あまり条件が厳しいと、結局多くの日数を要することになります。目の前に滑走路があるならまた判断も変わりましたが、これは仕方ありません。

 更に残念な事に、これまで主に試験に使わせて頂いてきた『ふくしまスカイパーク』がトヨタ系企業による本格的な新型機開発事業の拠点になるため、今後はあまり自由に使えなくなりそうです。早期に基礎的な試験を終わらせ、チャレンジフライトの場所を新たに模索し始めました。場内で旋回ができる場所となると、かなり遠い飛行場になりますが、頑張って遠征するつもりです。
2015 TF@FSP

 『赤とんぼ』はまだ多くの成果が机上でのものですが、既に多くの問題が解決されています。構造設計に先立って、実機の構造がどうなっていたかを探る推理の連続です。更に大変なのが製作が困難な部品の探索です。エンジンに付いては、むしろこれに確信があったから始まった『赤とんぼ』プロジェクトですので現在、大きな悩みはありません。しかしタイヤやサスペンションなど、脚回りは苦労の連続です。当時の脚回りは未舗装路を前提とする設計ですから、現代のものとはだいぶ仕様が異なります。現在流通している物から似た物を探してアレンジして対処しています。飛行の安全性も考慮し、まだしばらくは図面上での七転八倒が続きそうです。
Rotec R3600

 さて、昨季の活動の現状を述べましたが、常に気になるのは日本の航空機開発事情です。新型機開発にあまりに長いブランクがあったせいでしょう、飛行機の行政監督は、「欧米から購入した飛行機が正しく保守運行されているかを規定と照合する行為」とだけしか認識されていない状況がどんどん進行しているように感じます。「飛行機も誰かが最初に作るものだ」という当たり前の認識をこの日本に取り戻すには、新型機を世に出して試験環境の不足や許認可の実態を世に問う機会を増やさねば、との思いを強くしつつ、オリンポスの32年目を邁進してまいります。

2016/06/09
有限会社オリンポス
代表取締役 四戸 哲

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