文献紹介【設計関連】〜構造

【構造】

飛行機の構造設計 飛行機の構造設計
 その理論とメカニズム
  鳥養 鶴雄、 久世 紳二(著)
  社団法人 日本航空技術協会
  ISBN4-930858-77-1
日本では数少ない、構造設計を説いた指南書です。設計の実務経験者でなければ絶対に書けない充実した内容です。それもそのはず、著者の鳥飼、久世の両氏は、『飛行力学の実際』を記した富士重工の内藤子生氏の部下にあたり、YS-11の開発では、若手設計者として活躍された方々です。
本書は、飛行機の構造設計は、「何を考えればいいか」また、「どう考えればいいか」をイメージできるよう、軽飛行機から戦闘機、大型旅客機まで、多くの構造例を用いて明快に説明しています。飛行機の設計を学ぶなら、漠然と材料力学の教科書を開く前に、まず本書を一読するのが効果的です。最初から完全に理解するのは難しい内容ですが、何順かする内に、必ず見えてきます。実際に構造設計で失敗した経験があれば、強烈な説得力のある本です。
110ページ、後退翼構造の解説など、理解できた時の快感は他書では味わえません。設計を志すなら”絶対に”読むべき、と断言します。

 AIRCRAFT STRUCTURES(初版)
(初版)
AIRCRAFT STRUCTURES(2版)
(第2版)
AIRCRAFT STRUCTURES
  DAVID J. PEERY(著)
  McGRAW-HILL BOOK COMPANY
  ISBN 0-07-049196-8(Second Edition)
初版は、我が国でも”AIRPLANE PERFORMANCE STABILITY AND CONTROL”と並び、『YS-11』の設計者のバイブルだったようです。
飛行機の構造設計を解説して、この本の右に出るものはありません。初歩的な材料力学の解説から始まり、演習問題を交えて徐々に実際的な飛行機構造の理解に導いて行きます。飛行機特有の荷重システムの説明に多くの紙面を割き、構造が「どんな荷重に耐えねばならないか」を明らかにしています。航空力学的考察との連続性が理解できる配慮です。この視点は、一般的な材料力学、構造力学の専門書には無いものです。
本書の最大の特徴は、セミモノコック構造の解説です。荷重が、パネルや軸材をどう伝達されるのか、多くの図を用いて大変に分かりやすく解説されています。セミモノコックに関して解説した材料力学書は少なくないですが、多くは大家シャピッツの著書を翻訳しただけの難解な専門書か、紋切り型の定式化で、「なぜか?」は分からず、結局設計には使えないものばかりです。飛行機の軽量構造設計には、ともかく本書です。

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