文献紹介【戦前・戦中の著作物】

昭和17年版「世界滑空機年報」 昭和17年版「世界滑空機年報」
  航空官 南波辰夫 編
  Yearbook of GLIDERS 1942, 資料保存用 CD-ROM
  (※ Windows版、画像表示ソフト”Vix”を添付してあります。)
【紹介記事より】

CD-ROM制作にあたり
 このCD-ROMの原本となった昭和17年版「世界滑空機年報」は、60年の歳月を経て糸切れ寸前、また戦争末期の逼迫した印刷事情をリアルに反映しており、放置すれば崩壊は間近と思われる状態でした。
 粗末な印刷物ではありますが、しかし、この一冊で当時の滑空界のことがよく解ります。
 そこでこのたび、資料保存のためCD-ROMに収録しました。版権については、当時の発行所・工人社の後身である鳳文書林出版株式会社に、非売品とすることでご了解をいただいています。
 このCD-ROMが、ビンテージグライダー愛好家の資料としてお役立ていただければ幸いです。

●GL資料保存プロジェクト

 ご希望の方は下記にお問い合せ下さい。
 資料保存用・非売品のため、お分けできるのは限定20部です。CD-ROMは制作実費+送料で2,000円です。

 連絡先:GL資料保存プロジェクト
▼本文135 Pageより

滑空機便覧 滑空機便覧
  大日本飛行協會
  (昭和19年9月20日)
戦時真っ只中に、このようは本が刊行された事に、まず驚きます。
編集委員長は駒林 栄太郎氏、他委員は九州大の佐藤 博氏、後にポールサンディエ賞を受けた宮原 旭氏、萩原式滑空機の萩原 四郎氏、最近CD版で復刻された『世界滑空機年報』を纏めた南波 辰夫氏、等々、大戦前後の錚々たる方々です。
この本が編纂された経緯は、航空機の急激な発達により、滑空機の技術的発達と成果を系統的に纏める機会を逸してきた反省から、一度改めて、専門家が後進のためにも完結した書物にしておかねば、と意見を一にした事によります。
流体力学、材料力学から始まり、部品、装備の説明や具体的な設計法、更に多くのデーターまで、実に綿密、丁寧に記してあります。
暫定的なものという位置付けで発行した本ですが、時代の波に飲まれ、これきりとなりました。今でも、「これ一冊で滑空機が設計製作できる本」といえば、これを置いて他にありません。
資料保存用CD-ROM (原画と修復版)
 この滑空機便覧のCD復刻版が、GL資料保存プロジェクトで制作されました。入手が著しく困難な上、仮に現物を手にしても、毀損に細心の注意が必要な本書が、誰でも気兼ねなく参照できるようになった事は、大きな喜びです。GL資料保存プロジェクトのご尽力に感謝したいと思います。
 鳥人間コンテストに挑戦される方には、是非ともお薦めの参考資料です。

●GL資料保存プロジェクト
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 資料保存用・非売品のため、お分けできるのは限定20部です。CD-ROMは制作実費+送料で3,500円です。

 連絡先:GL資料保存プロジェクト

改稿 飛行機構造 改稿 飛行機構造
  立川飛行機技師 中川 守之、品川 信次郎 共著
  富士出版株式會社
  (昭和19年3月30日)
本書も大戦の最中に発行されたものです。企画から発行まで、相当な期間が必要だったため、戦中の発行になったものの、欧米の航空機構造が多数紹介されています。
一次大戦と二次大戦の間は、航空機の技術が急速に発達した時代ですが、その時代の成果を大量の図と写真で解説しています。トラス、張線構造から、セミモノコック構造への変遷の時期です。変遷期の象徴的な機体、ホーカー・ハリケーンの構造図と構造写真は、それだけでも貴重です。
変遷期の設計者の頭脳が搾り出した、夥しい数の構造を見ていると、現代の人力飛行機などで多く用いられる大直径薄肉管桁の構造様式も、既に60年以上前に確立していた事などに気が付きます。鳥人間コンテスト機の設計にも、相当に触発されるはずです。

The Elements of Airfoil & Airscrew Theory 翼及プロペラ理論 The Elements of Airfoil & Airscrew Theory
  H.GLAUERT
  CAMBRIDGE UNIVERSITY PRESS
  (1930年)
翼及プロペラ理論
  エイチ・グロアート(著) 内藤 孟(譯)
  雄山閣
  (昭和18年6月20日)
プラントル教授と並び称される、H.グラワートの著作です。原著の初版は1926年、つまり大正と昭和の転換の年に発行されました。これを記した当時、彼の役職は、まだケンブリッジ大学の教官になっています。ベルヌーイの定理を出発点に、圧縮性のない、非粘性流体力学が確立し、更に循環理論によって、翼の性質が数学的に予見できるようになったのは1910年代です。この本は、その成果の総まとめであると共に、初学者の教科書の役割を担ったようです。流体力学の基礎から、2次元翼型、3次元翼、更にプロペラの性質まで循環理論に基づいて数学的に予測する方法を詳細に述べています。この本も、後の日本の航空工学書の雛型になったようです。今でもそのまま教科書になる内容です。
訳書は、東京帝国大学船舶工学科を昭和5年に卒業された内藤 孟氏。丁寧な翻訳ながら、昭和18年の発行です、紙質は原著に数段劣り、この後敗戦を迎えたことを考えると、不遇な著作だったと想像します。

航空工學講座 翼の理論 航空工學講座 翼の理論
  東京帝國大學教授 工學博士 和田 小六著
  工政會出版部
  (昭和7年5月10日)
日本で唯一、航空の世界記録を持つ『航研機』。その航研機誕生の時、東京帝国大学航空研究所の所長だった和田博士の著書。技術的問題のほか、政治的調整にも頭を悩ませながら航研機開発を指揮した、学者には珍しい人物です。
本書は、流体力学の純数学的なアプローチが一段落し、プラントルの循環理論が航空工学に広く定着した後の、まとめの一冊です。もう戦闘機が空中戦をしていた時代です。

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